先日、松本歯科大学歯科放射線学講座 主任教授の田口 明 先生による
「歯科医院における骨粗鬆症患者スクリーニングと骨粗鬆症患者における顎骨壊死対策」を、聴いて参りました。
日本全国で歯科医院に受診されて治療目的に撮られる年間のパノラマX線写真は1000万枚にもなると言われています。そのパノラマX線写真を用いて骨粗鬆症のスクリーニングが可能になってきました。
日本では概ね50歳以上の女性では骨粗鬆症のリスクが高いと言われています。それは骨代謝に関わるエストロゲンが減少し、エストロゲンが欠乏すると全身の骨密度の低下により顎骨の骨密度が減少するからです。
歯科で撮影されたパノラマX線写真の下顎骨に特有な所見がみられた時には、高い確率で骨粗鬆症の可能性があります。
歯科医師が骨粗鬆症のリスクを早期に発見して、医科への受診を促すことは、骨折のリスクを減少させ、健康寿命を延伸させ社会貢献に役立つものでもあります。
歯科が骨粗鬆症による骨折を未然に防ぐことが可能になるのは、大変意義のある事だと感じました。
骨粗鬆症患者における顎骨壊死対策については、
BPまたはデノスマブによる治療中の患者さんに抜歯をする場合、最新の骨粗鬆症学会と口腔外科学会の合同シンポジウムでは休薬は効果なしと結論され、抜歯前休薬(予防的休薬)は無しとされたそうです。
デノスマブ休薬による多発骨折の症例も示され、休薬に疑問が出てきました。今後、さらなる情報収集していきます。 院長 西本